日中技能者交流センター、JCSEC

日中技能者交流センター
ライン

2014年度事業報告・決算
2015年度補正予算・新体制を全会一致で承認

― 来年の30周年とそれ以降のセンターに向けて、
名称の変更も視野に、今後の進め方を提案 ―

 6月4日開催された第15回理事会では、審議の結果全議案について承認されました。これを受けて6月23日に開催された第11回評議員会では、評議員・理事・監事の交代・選任はじめ、事業報告、決算並びに補正予算が全会一致で承認されました。

当面の課題について 人見理事長挨拶 抜粋

 6月を迎えて2014年度の財務状況が確定しましたが、ここ数年の施策の取り組みの効果が徐々に出つつあります。今後も新規事業開拓、会員の拡大の取り組みを続けてまいります。
 2つ目は、今国会に新たな技能実習生関連法案が上程されております。実習生事業の抜本的改正となりますので、適切に対処していきます。
 3つ目は、介護事業に外国人実習生の受入が行われる情勢に対処していきます。
 4つ目は、今後実習生の送り出しの相手国として基盤である中国とともにベトナム国なども拡大しています。それに伴ってこれからのセンター名をどうするのかについて10月理事会・評議員会に向けて、検討することとしました。

○評議員の新任・退任(以下敬称略)

 評議員は任期満了(4年間)により、改選となりました。 この度退任された評議員は、齊藤憲夫・住川健・藤井真奈武・山田信一の4名でした。新たに、新任4名、再任11名を確認しました。

〔新任の評議員〕
安藤 栄二 全国労働金庫協会 常務理事
大津未来生 電機連合 中央執行委員
尾﨑 陽二 日本生産性本部 部長
久保 直幸 UAゼンセン 副書記長
〔再任の評議員〕
赤池 浩章 日本教職員組合 国際部長
安久津正幸 全労済協会 専務理事
安藤 京一 情報産業労連 組織局長
石川 茂美 全日通労組 副委員長
氏家 常雄 自治労 執行委員長
大塚 敏夫 中央労福協 事務局長
梶原  豊 高千穂大学 名誉教授
髙橋 哲哉 日本通運 総務労働部長
戸田不二緒 職業能力開発総合大学校 名誉教授
松岡 裕次 JR連合 会長
吉田 昌哉 連合 総合国際局長

○理事の退任

河野 操一 当センター理事
山口 茂記 当センター理事

○監事の交代

〔退任〕
小栗 啓豊 総評会館 相談役
〔新任〕
小山 正樹 総評会館 専務理事


第11回評議員会 齊藤憲夫議長就任挨拶
第11回評議員会 齊藤憲夫議長就任挨拶


〜国家外国専家局 孫照華副局長が訪問〜

新たな分野への展開を目指して

 大学や行政機関などと事業協議する為に訪日していた孫照華・国家外国専家局副局長が、5月25日に当センターを訪問し、協議を行いました。
 孫副局長は4人いる専家局副局長の一人で、専家局の業務の内、経済技術分野や海外研修の分野を主に統括されています。当センターと専家局は、長年日本語教師の派遣事業の分野で協力してきましたが、今後はより広い方面での関係を図るため、今回の協議を実施するに至りました。
 当センターが深圳で開催された専家局主催の国際人材交流大会に参加した折、担当である孫副局長がブースを訪問していただいたことに、参加した永井常務理事より謝意を述べたことに続き、各担当者よりセンターからの提案を行いました。特に「中小企業診断士による品質・生産管理研修」と、「介護士育成支援プログラム」に孫副局長は関心が高く、今後実現に向けてより具体的な協議を続けていくことになりました。

【団員名簿】
孫 照華 中国国家外国専家局副局長
彭 啓明 同 専項办公室主任
王  春 同 経済技術等家司副司長
金 建敏 同 出国培訓管理司副司長


中国国家外国専家局孫副局長(写真中央)を団長とする代表団との記念撮影
中国国家外国専家局孫副局長(写真中央)を団長とする代表団との記念撮影


〜新規事業開拓共同作業チームが相次いで訪日〜

日中協力して新規事業に挑む!

 新規事業開拓共同作業チーム、その第一陣である中国側2チームが5月に相次いで訪日しました。これは日中双方がより具体的に新規事業に取り組むことを目指して始まった新たな試みで、まず5月18〜20日の日程で、李暁波副秘書長を団長とする中国職工対外交流中心のチームが訪日しました。
 協議は19日に終日行われ、センターメンバーが各自の担当テーマについて説明し、それに関して協議するという形で進みました。主なテーマは、「技能実習生制度の抜本的見直し等制度の変更に関わる情報提供」、介護①「技能実習生としての介護士受入れ」、介護②「介護分野における人材育成(介護関係者の訪日視察団受入れ、初任者研修修了を目指した介護士の訪日研修)」、「国家外国専家局認証を活用した研修事業」、「労働組合交流チームの受入れ」と設定しました。
 それぞれ職工中心側からは、「実習生募集における主に円安による賃金の問題」や「介護技能実習生実施時の送り出し体制の問題」、「看護師育成支援事業候補校について」、「職工中心からの研修団を送り出すことの可能性について」、「地方総工会からの研修団送り出しの検討」などが提議され、双方協議しました。協議の終わりには、次回は秋に北京で開催すること、具体的にそれぞれ進められる点、特に看護師育成校の調査については準備をしていくことを確認し、まとめとしました。
 続いて5月27〜29日には、人力資源和社会保障部国際交流服務中心のチームが訪日、同様に28日は全日、協議が行われました。ほぼ同様のテーマに基づき進行しましたが、人社部チームは特に介護分野に強い関心を示し、日本の技能実習職種追加を睨んで既に中国のいくつかの団体で赴日の為の事前教育を始めていることなど、収集した情報の提供がありました。また、介護分野人材の育成については、介護・看護を専攻し、日本語を学んだ卒業生の中から選抜する方法、或いは現在中国で主に介護に従事している40〜50歳代の人を対象にすることなどの提案がありましたが、それぞれに課題もあり、引き続き検討していくこととしました。
 4月の深圳交易会でも提案した介護関係者の訪日視察研修、及び初任者研修修了を目的とした介護士の訪日研修の両プランには有望と高い評価をし、実現の為にまずセンターの担当者を訪中させて中国の介護施設を視察して要望の調査をすることが提案されました。
 二つのチームともに、短期間ですが協議づくめの濃密な日程を終え、次回までには双方が高い関心を共通して示した看護・介護分野の事業について課題を整理していき、事業の実現化を推進していくことを確認して、帰国の途につきました。

【センター作業メンバー】
主  査:新井 力 専務理事
メンバー:永井秀治 財政部統括部長
     山口茂記 総務・企画部統括部長
事務局 :中村 豪 総務・企画部部長

【職工中心メンバー】
李 暁波 中国職工対外交流中心 副秘書長
査 良青 同 技術交流処処長
李 晶宇 同 技術交流処幹部
毛 孟輝 同 副秘書長、駐日総代表

【人社部メンバー】
梁 志剛 人力資源和社会保障部国際交流服務中心副主任
東  紅 同 技能交流開発処処長
秦 桂春 同 技能交流開発処ビザ主管
楊 賦臻 同 駐日総代表


中国職工対外交流中心チームとの協議
中国職工対外交流中心チームとの協議


人力資源和社会保障部国際交流服務中心チームとセンターのメンバー
人力資源和社会保障部国際交流服務中心チームとセンターのメンバー


『第一回中国人日本語教師スキルアップ研修会』を開催

〜中国国家外国専家局と当センターが共催〜

 4月9日・10日の日程で、今年も中国派遣日本語教師研修会が開催されました。会場である当センターには多彩な経歴をもつ18名の参加者が集まり、2日間にわたって、中国赴任に向け授業現場で必要な知識や情報を取得するための研修を行いました。
 今回の研修会は、センター登録教師である柴野たまのさんより、「日本語を外国語として考える」、「日本語を中国の学生に教えるための授業展開の方法」をテーマにした講義を、公益社団法人国際日本語普及協会の戸田佐和常務理事には、「授業現場での教材(副教材)の活用」をテーマにした講義をそれぞれ行って頂きました。参加者たちは、同じ志を持つ者同士、親睦を深めながら研磨し、無事18名全員が修了証書を手にすることができました。


参加者全員で記念撮影
参加者全員で記念撮影


江西師範大学で行われた柴野たまの講師による講義風景
江西師範大学で行われた柴野たまの講師による講義風景


日本語のリズム感「拍」感覚を養うための音頭を取り入れた授業
日本語のリズム感「拍」感覚を養うための音頭を取り入れた授業


折り紙を教材として使って日本語を覚える授業
折り紙を教材として使って日本語を覚える授業


ゲームで語尾変化を定着させるための授業
ゲームで語尾変化を定着させるための授業


「一生懸命に勝るものはない」 2日間のスキルアップ研修を終えて

柴野 たまの 講師

 日本語レベルはもとより、担当レベルも異なる先生方の研修会、事前のアンケートをもとに【音声・表現・語彙・漢字・文脈化と個人化・クラス活動】の項目をたてた。各単元の始めにグループ分けゲーム、グループでの討論・発表の形で進めた。
【音声】は研修要望の第一位。中国語話者にとってリズムは「音節」が基本だが、日本語は「拍」。日本語のリズム感(拍感覚)を養うことを中心に議論、数字のリズム遊びや2拍4拍子の「北国の春」のフォークダンスも紹介した。
【日本語の表現】言葉はそれを生み出した文化であり、日本人に共通の思考様式もある。
 『はっきり物言わぬ日本人』ではなく、「言わぬが花」「沈黙は金」と寡黙の美を讃えた諺もある。日本人は文脈に多くをゆだね、そこから察しがつくことはできるだけ省き、表現をすっきりさせたいのだ。日本語に多い省略・否定形式・推量や待遇の表現を文法、表現意図の両面から検討。少ない言葉で深い内容を伝える「俳句」にも触れた。「なにもございませんが〜」と食事を勧める表現が中国にもあるというのは初耳だった。
【語彙】日本固有の和語・中国からの漢語・西欧語系の外来語・和製英語など多岐にわたる日本語語彙、似ている言葉をどう使い分けているか、違いをどう教えるかを討論。
【漢字】漢字抜きでの日本語はあり得ない。漢字圏学習者にとって、「同じ漢字だから易しいだろう」と思うのは大きな間違いである。同じ漢字だからこそ、母語の漢字の知識が邪魔をしての誤りもある。中国語と比較しながら、漢字を通して日本語のジェンダーを意識。
【文脈化と個人化】今回の研修で一番伝えたかったこと。練習問題で文脈とは何かを考えてもらった。一つだけ情報を交換という条件で自己紹介ゲームをしたとき、日本語堪能な先生方ということもあって、しゃべる・しゃべる、ストップかけてもしゃべる。
 自分のことには一生懸命になれる。これが個人化がよいということ。「さあ、教科書から離れて、自分を語ろう!」、個人化活動について話し合った。

(「教える側として感じたこと」)
 時間は少ない。先生方は一生懸命、自分のスキルアップに、学生のために。私も一生懸命、応えるために気は抜かない。先生方は、グループ討論・アクティビティを取り入れた活動型授業を今後に活かすという。こちらこそ、改善点がたくさんある。教えることは学ぶことと再認識した。
 よい「トキ」を共有した同志に乾杯!「一生懸命に勝るものはない」。


コラム・一ツ橋

 4月8日から12日にかけて2015年度事業協議のため訪中した。中国の関係三団体(中国職工対外交流中心、国際交流服務中心、中国国家外国専家局)とは2015年度事業計画について今年も円滑に事業を進めることで合意した。
 2016年は日中技能者交流センター創立30周年を迎える。30周年記念事業の概要についても理解を得て準備をすすめることになった。
 今回の訪中に際し、駐中国日本大使館を表敬訪問し、木寺大使と懇談の機会を得た。
 大使は、日中関係の厳しい状況が昨年のAPEC北京会議の際の日中首脳会談が開催されたことで、徐々に改善の方向に向かっている、国同士の政治が厳しい環境にある時、民間同士の交流がいかに大事か、ということを強調された。特に日中技能者交流センターが中国の三機関と永年に亘り交流事業を行ってきたこと、そして中国に日本語教師を多数派遣してきた事業について、高い評価を頂いた。
 私達、日中技能者交流センターが永年に亘り日中友好の促進に果たしてきた役割と成果に自信と誇りを持つことが出来る意義深い訪中となった。

理事長 人見一夫


四国支所からの便り

緊張感を経験 技能評価試験

 外国人技能実習生は受入企業に配属されて技能実習を開始してから約8か月経つと、「技能評価試験」を受けます。在留資格を技能実習“1号”から“2号”へ移行する必須条件の一つがこの試験に合格することです。そのため、技能実習生本人にとっても受入企業にとってもこの試験に合格できるかどうかは心配の種です。
 最近、私は数回にわたり、通訳と指導の為に、試験の現場まで行かせて頂き、その緊張感を経験してきました。
 現場で実感したことは、これからは試験準備のための時間を長くとり、日本語能力も向上させながら、技術・学科知識を身につけることが大事です。実際の学科試験は勉強したことが試験範囲なのですが、具体的な学科試験の問題文は文型の変化が多くなり、日本語で全体的な文章の把握ができなければ、合格はかなり難しいからです(専門用語は知っていても、文型が変わるだけで意味が全く違ってきます)。勿論、技能実習生入国直前直後の日本語教育も強化しなければなりません。
 もう一つ実感したことは、受験した技能実習生たちは、以前は大部分を占めていた中国籍の者は三分の一に減り、残りの三分の二は東南アジア諸国の実習生だったことです。そして驚いたことに、非漢字圏からきた彼らですが、学科試験に全員合格できていたことでした。(程)


実技試験の様子
実技試験の様子


技能評価試験会場にて
技能評価試験会場にて



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