日中技能者交流センター、JCSEC

日中技能者交流センター
ライン

2015年度を飛躍に向けた年に

 私たち、日中技能者交流センターは、来年9月、設立30周年を迎えます。次の30年に向けて、その橋渡しの年となる15年度をどう越えて行くのかは、14年度の総括とともに非常に大切だと考えています。この意味で、15年度を次の時代に繋がるマイルストーン(里程標)とするとともに、飛躍に向けた準備をする年にもしなければなりません。
 3月の理事会、評議員会では15年度の事業計画が承認されました。センターが設立された30年前、誰が今の世界と時代を想像することが出来たでしょうか。それが困難であったように、世界は、私たちの想像を超えて次の時代にも大きく変わって行くことでしょう。事業計画は、このように変化する環境の中でセンターがより弾力的に変化を吸収し、持続可能な組織となり、その活動の質と量とを一層拡大して行くことを目指します。その際、私たちのキーワードは、「民間交流の拡大・強化」であり、この大きな枠組みの中に私たちの個々の事業を位置付けようと考えています。
 15年度が、センターにとって次の30年に繋がる飛躍の年になるように、みなさまのご指導とご鞭撻を心からお願いします。

専務理事 新井 力


定款の目的事業変更
2015年度 事業計画・同予算 全会一致で決議

「民間交流の拡大・強化」をキーワードに、5つの柱で事業を推進─

3月12日開催の第14回理事会では、事業報告を確認し、2015年度の事業計画と予算が可決。また河野副理事長の退任を承認しました。3月27日に開催の第10回評議員会では、議長に安久津評議員(全労済専務理事)を選出後、初めに定款の変更を議決したあと、理事会提出議案のすべてを全会一致で決議しました。

 新年度事業計画について、第1の柱は人材育成事業(技能実習、日本語教師派遣、看護師育成)、勤労者交流事業、調査研究事業の3分野を重点事業とします。さらに今年から中国人教師の日本語スキルアップ事業を加えます。技能実習事業は年間500人以上の実習生の受入を目指します。
 第2に外国人技能実習制度の抜本的見直し、建設、造船分野の2020年までの特例措置等に迅速に対応し、定款の変更等態勢の整備をはかります。
 第3に、中国職工対外交流中心と新規事業の開拓のための「合同作業チーム」を設置します。また人力資源和社会保障部国際交流服務中心(以下、国際交流服務中心という)とも同様なチームの設置をします。
 第4に、2016年のセンター設立30周年にむけて、意義のある記念事業の実施に向けた作業をすすめます。
 第5に、役職員一丸となって、目標達成に取り組みます。また、2年目の「友の会」活動に取り組みます。以上を柱に進めることを、理事会、評議員会で議決しました。
 また、2014年度事業報告並びに収支報告を承認し、公益目的事業の定款の変更についても承認されました。


北京で3機関と実務協議

新たなパートナーシップに向けて

2015年度事業計画を確認

事業推進について協議 その後青島の研修所を視察
 4月8日の北京の空は晴れ。到着後、昨年のAPECの会場であった雁栖湖の施設を視察。9日は朝、日本大使館を表敬訪問し、木寺大使と最近の日中関係について懇談。午後、中国職工対外交流中心と協議後、中華全国総工会・江広平副主席主催の歓迎会に出席しました。
 10日には中国国家外国専家局を訪問し、張建国局長以下と協議を行い、幅広い事業推進について協議しました。午後は国際交流服務中心の付躍欽主任以下と会談後、孔昌生副部長とは、実習生事業の現状について意見交換しました。
 11日は高鉄で青島市を訪れ市内視察では青島ビール工場を視察しました。12日は中国職工対外交流中心の実習生の研修所を視察し帰国となりました。


国際交流服務中心との協議
国際交流服務中心との協議


中国国家外国専家局との協議
中国国家外国専家局との協議


「新たな状況」に対応した作業チームの設置に合意
 今回の事業協議での中心的な点は以下のとおりです。
 第1に新年度の事業計画を協力して進めることについて、基本的に合意しました。中でも、日中の経済・社会状況が大きく変化する中で、新たな状況に克服してゆくため、中国職工対外交流中心、国際交流服務中心との間での作業チームの設置に合意しました。また、特定監理団体の認定申請を行うための協定などを締結しました。
 第2に、来年迎える当センター設立30周年に向けた取り組みについて確認しました。
 第3に、今国会に上程されている「実習生事業法案」への対応や介護分野での準備などについても意見交換が行われました。


中国職工対外交流中心彭勇秘書長(左)と人見理事長(右)
中国職工対外交流中心彭勇秘書長(左)と人見理事長(右)


〜2015年度中国派遣日本語教師研修会を開催〜

今年も、新たに18名が修了!

 4月9日・10日の日程で、今年も中国派遣日本語教師研修会が開催されました。会場である当センターには多彩な経歴をもつ18名の参加者が集まり、2日間にわたって、中国赴任に向け授業現場で必要な知識や情報を取得するための研修を行いました。
 今回の研修会は、センター登録教師である柴野たまのさんより、「日本語を外国語として考える」、「日本語を中国の学生に教えるための授業展開の方法」をテーマにした講義を、公益社団法人国際日本語普及協会の戸田佐和常務理事には、「授業現場での教材(副教材)の活用」をテーマにした講義をそれぞれ行って頂きました。参加者たちは、同じ志を持つ者同士、親睦を深めながら研磨し、無事18名全員が修了証書を手にすることができました。


日本語教師研修会にて
日本語教師研修会にて


中国派遣日本語教師 北京経験交流会を開催

 中国国家外国専家局の招聘により、3月13日から、教育交流部チーム(新井・専務理事、堤・教育交流部職員)が中国を訪問し、北京において同局共同主催による「経験交流会」(3月15日)を開催しました。
 経験交流会には、中国各地から16名の派遣教師が参加し、松下澄子(北京第二外国語学院)、永井宏昌(安徽師範大学皖江学院)教師の2名からの報告・発表をもとに、「仲介業者を通じた日本の大学(院)への留学の問題点」、「学生の就職支援について」、「クラス全体の日本語能力のレベルアップ」、「教師の国際交流活動」、「成績のつけ方」、「学校の教育環境について」、「学生の名前の呼び方(日本名・中国名)」等について議論し、率直な意見交換を行いました。
 また、これに合わせて日本語専攻学生を対象にした就職支援プログラムを福建省の2つの大学で実施しました(詳細は、関連記事をご参照ください)。
 教育交流部チームは、さらに、3月19日まで、「中国人日本語教師スキルアップ研修会(2015年5月実施予定)」実施に向けた協議及び日本語教師受け入れ校の開拓を目的として江西省(江西師範大学・江西外語外貿職業学院)を訪問し、各学校側関係者と意見交換を行いました。


北京経験交流会会場
北京経験交流会会場


第3回ビジネスマナー講座、福建師範大学で実施

大好評!緊張と笑顔いっぱい

 中国国家外国専家局の招聘により、永井・常務理事、増山ちとせ・日本通運株式会社ビジネスマナー講師が訪中し、「ビジネスマナー特別授業」を開催しました。
 これは、大学で日本語を学んでいる日本語専攻学生に対し、日系企業に就職する場合、有利となる仕事上のマナーを体験的に取得するために企画されたもので、2013年10月の河北師範大学(河北省)、北京第二外国語学院(北京)に引き続き3回目の開催となりました。
 今回は、3月16日、当センターから日本語教師を派遣している福建師範大学外国語学院(福建省福州市)の日本語専攻学生41人を対象に、中国国家外国専家局の協力のもと行われました。講義は、身だしなみ、挨拶、服装、笑顔づくり、名刺交換等、学生たちによるロールプレイ主体に行われました。
 学生をはじめ学校側関係者にも好評で、学生からは「就職面接時のマナーを教えて欲しい」、「上司との付き合い方を教えて欲しい」、「継続的に実施して欲しい」等の声があがりました。
 授業に対する大学側、学生達の熱い思いがひしひしと感じられる授業でした。


増山講師によるビジネスマナー講座
増山講師によるビジネスマナー講座


学生たちによるロールプレイの風景
学生たちによるロールプレイの風景


日本語専攻学生 日系企業就職支援に向けて関係者間で情報交換

 中国国家外国専家局の招聘により、3月17日、福州大学(福建省)において、当センター新井・専務理事、永井・常務理事、福建省専家局陳国華副局長、福州大学周強副教授、福建師範大学洪晨暉副教授、日本通運㈱近藤廣司NGU専任部長、日通国際物流(中国)有限公司総公司行政管理部左竟成経理、日本語専攻学生代表など関係者を含め20名により、「日本語専攻学生への日系企業就職支援の仕組みづくり」に向けて情報交換と事前協議を行いました。
 参加者それぞれから活発な意見・要望が出され、今後は中国国家外国専家局と連携し、合同就職説明会の開催、学生への就職情報の提供、ビジネスマナー講座の提供など具体的に進めていくことになりました。


福州大学の会場にて
福州大学の会場にて


熱心な情報・意見交換
熱心な情報・意見交換


新規事業に初めて参入(中国国家外国専家局認証事業)

 当センターは、4月18日・19日に広東省深圳市で開催された中国交際人材交流大会において、人材育成事業の一環として「中小企業診断士による品質・生産管理研修プログラム」、「介護士育成支援プログラム」を提案しました。
 本大会は、中国国家外国専家局の主導で毎年開催しているものであり、今回は13回目の開催となります。日本からは早稲田大学等も毎年参加しており、当センターは永井秀治・常務理事、沈瑛・総合技能交流部職員を派遣し、今年初めて参加しました。
 今後は中国国家外国専家局と連携し、関係機関・組織に対し研修プログラムへの参加募集を行い、開催に向け具体的に進めていくことになります。


広東省深圳市(シンセン)大会会場)
広東省深圳市(シンセン)大会会場


大会初日(4月18日)の風景
大会初日(4月18日)の風景


熱心に説明を受けるブース来訪者と沈職員
熱心に説明を受けるブース来訪者と沈職員


派遣教師からのおたより

経験交流会に参加して

2014年度中国派遣日本語教師 聊城大学 森下 昌治

 3月上旬、北京で開催された経験交流会に参加しました。
 交流会は、先ずマナー研修、日系企業紹介といった新事業の紹介から始まりました。これらは、学生に正しいビジネスマナーを身に着けさせ、日系企業に送り出すことを目的に、センターが新しく始めたものです。中国は広く、今後の展開には難しい面も多いと思いますが、軌道に乗れば当センターや教師派遣の評価もより高くなるものと期待しています。

 交流会のハイライトは、松下先生、永井先生による経験発表でした。
 松下先生のパワーポイントを使ってのご説明は、非常に分かりやすく、共感できる点が多くありました。特に、音読の難しさや、意外に読めない漢字の多さは、普段の指導で常々感じていましたので、今後の授業の参考になりました。
 永井先生からは、学生との食事会や雑談会、また他大学、地域を巻き込んだ交流会等、先生のリーダーシップのもと実践されている活動の報告でした。先生がおっしゃるとおり、日本語で考える習慣は、これら楽しく学べる活動を通して身に着けさせるのが最良の方法だろうと思いました。

 引き続き行われたフリーディスカッションでは、特に大学院への進路指導が印象に残りました。私の大学でも大勢の学生が大学院への進学を希望していますが、私自身は進路指導や情報提供を行ってきませんでした。そのため、多くの先生が情報提供や進路指導に尽力されていることに正直驚かされました。休暇帰国中に直接大学を訪問し、留学生受入についてのヒアリングを行い、それを学生にフィードバックされている先生もいらっしゃいました。私たち日本人の日本語教師には、言語の指導だけでなく、日本の大学の情報収集と提供が期待されていることを強く認識することができました。
 また、多くの先生方が大学の枠を超えて日本企業や地域との交流の場を積極的に設けていらっしゃることにも刺激を受けました。これらの活動は、日中の架け橋という意味で、非常に意味深いものだと再認識させられました。
 
 交流会は、内容、運営両面において十分満足の得られる会だったと思います。
 多くのご意見を聞き、刺激を受けました。自分自身のモチベーションがアップしたことは言うまでもありません。技術面でも多くのことを学ばせていただきましたが、それが一番の収穫でした。
 欲を言えば、共通の関心事である「授業の進め方」について、もう少し具体的に学ぶ機会があればなお良かったと思いました。
 例えば、日本語会話、作文、日本概況等に関する授業の進め方をテーマに、教案をベースに意見交換をする等です。このような機会があれば、特に経験の浅い私にとってはより効果的に実践的な手法を学べると思います。

 交流会参加の機会をいただいたことに深く感謝し、以上所感といたします。次回の開催を楽しみにしています。


経験報告をする教師
経験報告をする教師


コラム・一ツ橋

 今年は平年より3日程早く桜の開花のニュースが伝えられた。春の足音が次第にはっきりと聞こえてくる3月27日、当センターでは評議員会があり、滞りなく議案の決議が行われた夕刻、河野副理事長の送別会が行われた。古希を期に退任される。振り返ればセンターでの9年間はまさに「桑田碧海」のごときかと想像された。役職員で、これまでのご苦労をねぎらい今後の健勝を祈った。「年々歳々花相似たる歳々年々人同じからず」。新年度がスタートした。
 始業前に今日も一杯のお茶を汲む。教育会館の8階の窓からは、前に高速道路、その後ろに三の丸公園の森があり、その奥に六本木、田町の高層ビル群、そしてそれらを断ち割るように、東京タワーがすっきりと建っている。毎朝眺め続けて9か月が過ぎた。今日も一日晴れですかと、東京タワーにあいさつ。早く花粉の季節が過ぎますように

(茂)


四国支所からの便り

難忘今宵(今宵を忘れず)

 外国人技能実習生にとって、お正月と旧暦の正月などの祝日は、喜びの気持ちと同時に、故郷や家族友人へのホームシックにもなり、少々寂しい気持ちにもなります。
 そのため、多くの受け入れ企業は頑張ってきた実習生に対する感謝と慰労の気持ちを込めて、お正月か旧暦の正月の前に外国人技能実習生の為に特別に忘年会を行っています。
 社長さんや、実習生を指導している幹部の方など、会社の上司の皆さんと一緒に温かい雰囲気の中で、一年の疲れ、故郷を懐かしむ気持ち等々も全て忘れ払うことになるでしょう。一年のうちに忘れがたい出来事が数多くあったことでしょう。
 また、忘年会後のお正月の日に、心を込めて実習生達で餃子を作って社長さんに恩返しのプレゼントをするという良い伝統を継承している実習生グループもあります。
 大晦日の晩、実習生たちは寮の中での夕食会で賑い、その後、故郷の親族とTV電話をしながら新年を迎える人がほとんどです。時間が経つのは矢の如く早く、過ぎてみれば、三年間はあっという間です。帰国間際の実習三年生にとっては、会社と上司や同僚友人と離れ難く名残惜しい気持ちになり、その感情が忘年会でも表れてきます。
 「難忘今宵、今宵難忘!(今宵を忘れず、忘れられない今宵!)」実習生たちは新しい一年を迎え、家庭や祖国の平安、実習企業の繁栄、自分自身の成長、また、円安に歯止めがかかること等を祈念し、気持ち新たに実習生活に励んでいます。


忘年会での一場面
忘年会での一場面



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